#156 SNSのユーザー層の変化
デジタルメディア情報 2024.02.19
こんにちは、JOETSUデジタルコミュニケーションズの関村です。
皆さんは、普段SNSを利用していますか?
私の身近では、70代になる学生時代の恩師がInstagramを始めたり、
50代の方が好きなアーティストの応援のためにX(旧Twitter)を活用したりしています。
InstagramやX(旧Twitter)は、「若者を中心に利用されているツール」だと考えられていますが、
最近はシニア層の利用者も増えているのはご存知でしょうか。
全体的に見れば、まだまだ若年層の利用者が多いツールではありますが、実は少しずつ利用する
ユーザーが変化してきています。今回は、そんなSNSのユーザー層の変化ついてご紹介いたします。
国内における各SNSの利用率
国内の主要なSNSというと、Facebook・Instagram・X(旧Twitter)・LINE・TikTokが上げられます。総務省が行ったソーシャルメディアの利用率調査結果を確認したところ、主要なSNSの中でも、LINEは圧倒的に利用率の高いツールということが分かりました。
参照:https://www.glad-cube.com/blog/?p=35640
SNSの利用状況
SNSの利用状況を年齢階層別に確認すると、20代が最も多く利用していることが分かります。次いで、13歳以上の10代、30代が多く利用しており、全体的に見ると、やはり若年層が中心にSNSを多く利用している傾向であることが読み取れます。
参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf308000.html#d0308130
全体では、20代が最も多くSNSを利用しているという結果が出ましたが、Facebook・Instagram・X(旧Twitter)・LINE・TikTokごとの利用状況を詳細に確認してみると、ユーザーの年齢層が若干異なることが分かります。
以下では、各ツールの国内ユーザー数と利用者が多い年齢層をピックアップ致しました。
〈Facebook〉
・国内ユーザー数 :2,600万人 ※2019年7月時点
・利用者が多い年齢層:30代(45.7%)、40代(41.4%)、20代(35.7%)
〈Instagram〉
・国内ユーザー数 :3,300万人 ※2019年3月時点
・利用者が多い年齢層:20代(78.6%)、10代(72.3%)、30代(57.1%)
〈X(旧Twitter)〉
・国内ユーザー数 :5,895万人 ※2022年1月の月間利用者数
・利用者が多い年齢層:20代(78.6%)、10代(67.4%)、30代(57.9%)
〈LINE〉
・国内ユーザー数 :9,600万人 ※2023年12月末時点
・利用者が多い年齢層:20代(98.1%)、40代(96.0%)、30代(96.0%)
〈TikTok〉
・国内ユーザー数 :1,690万人 ※2021年8月末時点
・利用者が多い年齢層:10代(62.4%)、20代(46.5%)、30代(23.5%)
参考:https://japan.cnet.com/article/35139021/
https://www.soumu.go.jp/main_content/000831290.pdf
https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/
https://www.shuttlerock.co.jp/article/detail/post-11886/
https://www.lycbiz.com/jp/service/line-ads/
https://markezine.jp/article/detail/37145
Facebook・Instagram・X(旧Twitter)・LINE・TikTokそれぞれ確認した結果、
10~20代が中心に利用しているツールもあれば、20~40代が中心に利用しているツールもあることが分かりました。
今回はユーザー数と年齢層のみをピックアップしましたが、他にも性別や閲覧時間等も確認するとユーザーがどんな時にどのような目的でSNSを利用しているのかも見えてきます。
BtoB企業のSNS戦略に関しては、過去の記事でも紹介していますので、ご興味のある方はこちらもご確認下さい。
→https://www.joetsu-dc.com/blog/digitalmedia/202310113-sns-marketing/
シニア層のSNS利用率増加
SNSの利用率全体で確認すると、若年層と呼ばれる10~20代の利用者が多いことが分かりました。
が、改めてSNSの利用状況を年齢階層別に確認すると、60~70代の利用者が2020年~2021年の
1年間で10%以上も増加していることが分かります。
参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nf308000.html#d0308130
60~70代のSNS利用率が増加した要因としては、インターネットの普及だけでなく、コロナ禍等の影響よる、おうち時間の増加や離れて暮らす家族とのコミュニケーション手段としてインターネットを利用する頻度が上がったため、SNSへの興味・関心が高まったのではないかと考えられます。
〈シニア層が活用しているSNS〉
60代以上のシニア層が多く活用しているツールとしては、
LINE(82.6%)、YouTube(67.0%)が圧倒的に活用されていることが分かりました。
その他のSNSツールの利用状況としては、Facebook(19.9%)、X(14.1%)、Instagram(13.4%)、
TikTok(8.7%)という状況でした。FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、TikTokに関しては、10~40代のユーザーに偏っているツールでもあるため、年齢が上がるにつれて利用率は緩やかに伸びていくのではないかと想定されます。
参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000831290.pdf
〈シニア層がSNSを利用するメリット〉
シニア層がSNSを利用するメリットの一つとして「対人交流」が上げられます。川村学園女子大学と了徳寺大学が発表した「高齢者のインターネットの使用が社会的活動及び精神的健康に及ぼす影響の検討」では、以下の調査・考察がされていました。
高齢者を対象に、外出状況に関する調査を行った結果、高齢者の外出頻度は、加齢に伴い低下する傾向がみられ、80代以降では、外出に不安や困難さを感じたり外出の意欲が低下することが示されている。そのため、外出の目的・きっかけを作ることや、外出につながる情報を提供すること等により、高齢者の外出意欲を促し、外出の機会を増やす働きかけが必要であるといえる。
引用:「高齢者のインターネットの使用が社会的活動及び精神的健康に及ぼす影響の検討」(一部抜粋)
上記の論文のように、外出意欲や外出するきっかけづくりの要因の一つとして、SNSの利用が重要視されています。論文内容はあくまで一例ですが、他にも「生きがい」や「オンライン上でのコミュニティーの場」としても利用されているのではないかと考えています。
事例│シニア×SNS
SNSを利用しているシニア層はまだまだ少ない状況ではありますが、その中でも、SNSを利用して活躍している「シニアインフルエンサー」の事例がありますので、2つご紹介いたします。
①高齢者と学生のマッチングサービス『まごとも』
『まごとも』は、株式会社whicker(ウィッカー)が運営しており、学生が高齢者の自宅や介護事業所を訪問し、スマートフォンの使い方や病院の付き添い等、高齢者の要望に応えるとともに、コミュニケーションを通して楽しい時間を提供している介護保険外サービスになります。
株式会社whicker公式サイト:https://whicker.info/
『まごとも』のSNSでは、サービスを利用している高齢者と大学生の会話や活動が投稿されています。経験豊富な高齢者の体験談や人生観などを語った動画は、Instagramで5,000回以上再生されているものも。新しいことに挑戦をしたり、高齢者の経験談・人生観は視聴者から絶大な人気を得ているようです。
『まごとも』公式Instagram:https://www.instagram.com/magotomo_whicker/
②95歳現役フォトグラファー西本喜美子さん
熊本県在住の西本喜美子さんは、72歳の時に写真を学び、ユーモアあふれる自撮り写真が人気の現役フォトグラファー。地元熊本で個展を開くだけでなく、写真集の出版やメディアからの取材も受けており、Facebook・Instagramなどで活動を伝えているシニアインフルエンサーです。
SNS上では、「自撮りおばあちゃん」という愛称で人気を集め、Facebook 2.7万人、Instagram 36.2万人のフォロワーを獲得しています。
公式Facebook:https://www.facebook.com/kimiko.nishimoto.official/
公式Instagram:https://www.instagram.com/kimiko_nishimoto/
むすびに
いかがでしたか?今回は、「SNSのユーザー層の変化」という切り口からシニア層のSNS利用の増加とその要因についてお話させて頂きました。今後、シニア層のSNS利用はさらに増加してくる可能性があります。シニアをターゲットとしたマーケティング戦略を検討する上で、SNSユーザーの動向を定期的に確認しておくことが重要になりますね。
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関村(ニックネーム:セッキ―オレンジ)