#147 マーケティング視点で振り返る2023年ヒット商品
デジタルメディア情報 2024.01.09
あけましておめでとうございます
本年もJOETSUデジタルコミュニケーションズをよろしくお願いいたします
2024年、第1号です!
今回は、昨年(2023年)にヒットした商品やサービスをマーケティング視点で振り返ります。
2023年ヒット商品
日経トレンディが発表した2023年ヒット商品ベスト30の内、上位3位は以下のような結果となりました。
※引用:https://info.nikkeibp.co.jp/media/TRE/hit-ranking/#y2023
3位は映画『THE FIRST SLAM DUNK』。1990年から1996年まで、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載されていたスポーツマンガ「スラムダンク」が原作の3DCG映画です。原作のコアなファンから新しい世代まで、幅広く人気を獲得しました。
2位はRIZAP(ライザップ)が作った運動初心者向けジム『chocoZAP(チョコザップ)』。その人気は右肩上がりに推移しており、2023年11月14日時点で店舗数は全国で1,160店舗、会員数は 101.0万人を突破しました。
そして栄えある1位は、AI時代の火付け役とも言える米OpenAI社の『chatGPT』です。2022年11月30日に公開されたChatGPTですが、UBS(UBS Financial Services Inc.)によると、2023年1月に1億人のアクティブユーザー数を記録したと発表されました。
2023年ヒット商品のTOP3をご紹介しました。
ここからは、1位と2位の商品について、マーケティング視点でヒットの理由を解説いたします。
chatGPTがヒットした理由
①快適な会話体験
chatGPTには、OpenAI社が開発した大規模な自然言語処理能力が備わっています。大量のデータを学習しているため、ユーザーの入力に対して人間のように自然な回答を生成することが可能です。
これにより、ユーザーは会話にストレスを感じることなく、快適に会話のラリーを続けることが出来ます。
②SNSでの拡散
chatGPTに送信するプロンプト(文字列)には複数の種類があります。中でも「命令」プロンプトでは条件を指定してより精度の高い応答をさせることが可能です。ただ、「命令」プロンプトは高度な条件指定をする必要があり、知識がない状態から使うことが難しい機能です。
そんな中、X(旧:Twitter)などのSNSを中心に、プロンプトの定型文を紹介する有識者が現れました。X(旧:Twitter)は特に拡散力が高く、ユーザーに「今までは使い方がよくわからなかったchatGPT」の使い方が浸透しました。
③シンプルで使いやすいUI
UI(ユーザーインターフェイス)とは、ユーザーとサービスの接点となるインターフェースのことです。具体的にはボタンや入力欄など、ユーザーが実際に操作する画面上のものを指します。
chatGPTのUIはとてもシンプルです。
chatGPTを起動すると、プロンプト(文字列)を入力する入力欄のみが表示されます。ユーザーはここにプロンプトを入力するだけでAIとの会話を始めることが可能です。
このUIは誰にでもわかりやすく、英語で案内が表示された状態でも問題なく使い始めることが出来ます。
以上の3つが、デジタルマーケティング視点で見たchatGPTが急速にユーザーを拡大した理由と考えられます。
chocoZAPがヒットした理由
①市場(ユーザー)のニーズを的確に捉えたビジネスモデル
RIZAP GROUPは、米国はフィットネス参加率が20%程度ある中で、日本は3%程度という事実から「、日本に“運動”のニーズがあるが現状のジムのビジネスモデルではカバーできていない」ということにフォーカスしました。
日本のフィットネス参加率が低いボトルネックはジムや運動のハードルが高いことだと仮定し、ボトルネックを排除するためにchocoZAPを「着替えなくてOK」「1日5分でもOK」「初心者OK」の無人ジムとしたことで、ユーザーニーズに刺さる結果となりました。
※参考:Business Insider https://www.businessinsider.jp/post-272256
②ジムをDXして継続した来館促進
chocoZAPでは、会員登録にアプリのダウンロードが必須となっており、来館/退館時にアプリでチャックイン/アウトを行います。
アプリではおすすめのトレーニング情報などのお役立ち情報を配信したり、来館を促すための通知を配信したり、ユーザーが継続して来館する仕組みを作っています。
※画像:来館を促す通知の例
※引用:https://diamond-rm.net/management/businessplan/466553/3/
③“コンビニジム”という事業ドメイン
chocoZAPの事業ドメインである「コンビニジム」には、なんでも揃っている「コンビニ」のように、「トレーニングマシンに留まらない」サービスという意味が込められています。
chocoZAPにはセルフエステ機器やセルフ脱毛器、ゴルフ練習ブースなど、ジムに関係のない設備が備わっています。「ハードルの高い運動」以外のところから来館を促すことが可能です。
以上の3つが、マーケティング視点で見たchocoZAPヒットの理由です。
むすびに
今回は2023年のヒット商品を振り返りながら、マーケティング視点で商品ヒットの理由を解説しました。
どんな商品/サービスにもヒットする理由があり、それを考えるための視点がマーケティング視点です。
JDCでは、商品/サービス開発のサポートや、ブランディングのご支援も承っております。
お気軽にご相談ください。
天野(ニックネーム:あまのっち)