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「つるまう日記」を毎週発信しています。

#129 実は著作権侵害? AIでのコンテンツ生成

デジタルメディア情報 2023.09.04

みなさまこんにちは!

JDCの植木です!

 

窓の外から聞こえてくるセミの声が変わり、いつの間にか9月になりました。今年も厳しい残暑に見舞われていますが、いかがお過ごしでしょうか?私はすっかりエアコンから離れられない生活を送っております。

最近のエアコンはハイテクで、住宅環境を分析して自動で快適な温度設定をしてくれるAI搭載のものもあるそうです。(我が家のエアコンは10年プレイヤーですが…。)

 

最近何かと話題になる「AI」。その中には画像や動画、音楽、ソースコードなどを作成できる「生成AI」と言われるものがあります。

もし、誰でも簡単にプロのようなコンテンツをつくることが出来たら…。少し考えるだけでも便利なツールであることは間違いないですよね。ですが、生成AIには重大な落とし穴があります。

今回は便利な「生成AI」と、その落とし穴「著作権」について解説いたします!

 

生成AIなら誰でも簡単にコンテンツをつくれる

そもそも生成AIではどんなことが出来るのでしょうか?

簡単に言うと、みなさまが普段目にしている様々な「コンテンツ」をつくることが出来ます。

例えば画像。SNSにアップするための画像やWebサイトで使用する画像など、どのような種類の画像でもつくることが出来ます。

また、静止画だけでなく動画や音声、音楽の生成も可能です。

 

生成AIは様々なクリエイティブを学習しており、一定のクオリティでコンテンツを作成出来ます。アイディアはあるけどコンテンツをつくるスキルに困っている方や、そもそも制作する時間がないという方におすすめです。

(画像:Canva Text to imageで生成)

 

生成AIの落とし穴、著作権とは

誰でも簡単にコンテンツをつくれる生成AI、それだけ聞くと魔法のツールのように思えますが、実は重大な落とし穴があります。それは「著作権」に関する問題です。

 

「著作権」とは、「著作物」を創作した者(著作者)に与えられる権利です。日本では著作権法で、著作者が創作した著作物の無断コピーや転用を禁止しています。

生成AIはユーザーからの命令(プロンプト)でコンテンツを生成するため、著作権は関係ないと感じるかもしれません。しかし、著作物に似ているコンテンツをつくることや、著作物を転用することが「著作権法違反」に該当する可能性があります。

 

実は未決着、AIと著作権の関係

「可能性」とぼかしたのには理由があります。

実は、AIの著作権についてはまだ議論の段階であり、決着がついていない点があるためです。

ここでは現状の見解を整理してみましょう。

 

⑴文化庁

文化庁では、「AIと著作権の関係等」で次のように呼び掛けています。

(引用:文化庁「AIと著作権の関係等について」

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/68/pdf/93906201_09.pdf

 

つまり、AI学習のために著作物を用いることは基本的に問題ありませんが、生成AIを利用する際には類似性や依拠性*に注意が必要ということです。

【※】

類似性…創作的表現が同一又は類似であること

依拠性…既存の著作物をもとに創作したこと

(参考:文化庁「AIと著作権の関係等について」

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/68/pdf/93906201_09.pdf

 

⑵内閣府知的財産戦略推進事務局

政府からはAIと著作権について、次のように整理すべき論点が示されています。

  • 学習用データとしての著作物の適切な利用
  • AI生成物の著作物性
  • AI生成物を利用・公表する際の著作権侵害に関する考え方

(引用:内閣府知的財産戦略推進事務局「知的財産推進計画2023」について

https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_senryaku/3kai/chizai2023.pdf

 

これに対して結論は出ておらず、検討段階であることが伺えます。

 

⑶企業の生成AI活用状況

帝国データバンクの調査では、生成AIを活用・検討している企業が6割を超えました。

しかし、その内37.8%が活用のイメージが沸かないと答えており、企業に生成AIが浸透していないことが伺えます。

(参考:帝国データバンク「生成AIの活用に関する企業アンケート」2023年6月

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230608.html

 

以上のように、生成AIと著作権の関係は明確にされていない点が多く、企業にも浸透していない現状です。

 

むすびに

さて、今回は生成AIと著作権について現状をご紹介いたしました。

まだまだ決着のつかない部分が多い生成AIと著作権。企業で活用する際は特に注意し、最新情報をキャッチアップしていくことが重要です。

 

JDCではかわら版での情報発信だけでなく、ご希望により毎月デジタル最新情報をお届けしております。情報収集にご活用いただければ幸いです。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください!

 


 

植木(ニックネーム:うえち)
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