#157 ネット時代におけるフェイクニュースとの付き合い方
デジタルメディア情報 2024.02.22
こんにちは。
JOETSUデジタルコミュニケーションズの小林です。
早くも2024年が始まってから2か月が経ちました。
今年は年明け早々、石川県能登地方で最大震度7の大地震が発生しました。
多くのニュースが飛び交う中、過去の災害の写真をあたかもリアルタイムの様子であるかのように虚偽の情報を拡散したり、実際の被災者ではない人が被災者のふりをして募金を求めたりするなど、SNS上で誤情報が拡散されたことが大きな問題になりました。
近年、このような嘘・誤情報は「フェイクニュース」と呼ばれ、重大な社会問題となっています。
今回は、そんな「フェイクニュース」についてのお話です。
フェイクニュースとは?
主にウェブサイトやSNS上で発信・拡散される、真実ではない記事や情報のことを「フェイクニュース」と呼びます。
フェイクニュースは、内容によっては真偽の見極めが非常に難しいことに加え、簡単に拡散できてしまうため、人々の生活に大きな影響を与えます。広まってしまったフェイクニュースの影響で、選挙結果や政治の状況が変化するともいわれています。
日本におけるフェイクニュースの実態
みずほ情報総研株式会社が2020年3月に発表した「日本におけるフェイクニュースの実態等に関する調査研究」では、「フェイクニュース」という用語について「知っている」人は約8割(78.7%)と、全ての年代において認知度が高いことがわかります。
フェイクニュース等の用語の認知状況
また、フェイクニュースに接することが多いと思う情報源については、「SNS」(62.0%)と回答した人の割合が最も高く、続いて、「動画投稿・共有サイト」(29.2%)、「ポータルサイトやソーシャルメディアによるニュース配信」(26.2%)の順に高い結果となりました。
すべての年代において、「SNS」が最も高い割合となっています。
フェイクニュースに接することが多いと思う情報源
このように、多くの人は「フェイクニュース」の存在を認知しており、中でもSNSやソーシャルメディアなどのウェブサイト上でフェイクニュースに接する機会が多いと感じていることがわかります。
出典:日本におけるフェイクニュースの実態等に関する調査研究
https://www.soumu.go.jp/main_content/000693284.pdf
WEB広告視点から見るフェイクニュース問題
フェイクニュースが拡散されることは人々の生活に大きな影響を与えるだけではなく、企業のビジネスに対しても悪影響を及ぼす場合があります。
特に、フェイクニュースの“ネタ”として利用されてしまった企業やブランドは、レピュテーション(評判)が大きく損なわれるうえに、信頼の回復に多くの時間や労力、コストが発生する可能性があります。
また、企業やブランドが直接“ネタ”にされなくても、フェイクニュースを掲載しているサイトに対する広告出稿が原因で、企業やブランドのレピュテーションが損なわれるケースもあります。
WEB広告は掲載に至るまでのプロセスが自動化されていることが多いため、場合によっては企業やブランドとして望ましくないサイトに広告が掲載されてしまうこともあります。そのため、顧客に誤解や不快感を与えてしまい、企業としてのスタンスを誤解されてしまう可能性もあります。
実際、2018年にはセイコーエプソンの広告が、差別的な投稿を含んだまとめサイト「保守速報」に掲載され、ユーザーから指摘を受けた会社側は配信を停止したというニュースがありました。
また、海外では、フェイクニュースを発信しているサイトへ広告が掲載されてしまったことで商品の不買運動に発展してしまうケースも起こっています。
参考:東洋経済オンライン-「ネットのデマに踊る人が知らない悪行の正体
そこに広告出稿で手を貸す企業は信用を失う」
https://toyokeizai.net/articles/-/227269?display=b
広告主ができるフェイクニュース対策
先に述べたように、WEB広告は掲載に至るまでのプロセスが自動化されていることが多いため、フェイクニュースと思われる面に広告が配信されるのを防ぐための抜本的な解決策を講じることは難しい状況です。
一方で、以下のような対策を検討することで、自社のWEB広告がフェイクニュースサイトに掲載されるリスクを最小限に抑えることが可能です。
⒈広告ネットワークの選定
自社の目標やターゲット層、予算、配信先の品質や信頼性などを考慮して、メジャーな広告ネットワーク選定し、信頼性の高いサイトに広告を掲載する。
⒉コンテンツの品質管理
指定した条件に合致するサイトにのみ広告を表示するように設定し、特定のジャンルやテーマに関連する信頼性の高いサイトに広告を表示する。
※広告ネットワークには、特定のトピックやコンテンツカテゴリーに関連するWEBサイトにのみ広告を表示するように指示するオプションがあるため、フェイクニュースと関連のあるコンテンツを排除することで、自社広告の表示を制御することが可能。
⒊手動レビュー
自社の広告が掲載されるWEBサイトを定期的に手動でレビューし、フェイクニュースサイトへの掲載を検知した場合は広告のターゲティングから除外するなどの対処を行う。
WEBサイトのコンテンツや環境は常に変化するため、以上のような対策を組み合わせながら、ブランドセーフティ(広告が適切なWEBサイトで表示されていること)を確保していくための取り組みを行うことが重要です。
むすびに
インターネットやSNSがますます発展している昨今、フェイクニュースを完全に避けることはほぼ不可能になっています。
フェイクニュースは、情報の受け手になるだけではなく、情報を拡散することで自らがフェイクニュースの発信者になる危険性をもっています。
目にした情報を鵜呑みにせず、情報の正確性が判断できない場合は安易に情報を投稿・拡散しないように意識し、フェイクニュースと上手に付き合っていくことが重要です。
また、WEB広告を配信する場合においても、フェイクニュースサイトなどの信頼できないサイトに配信されないよう、適切な対策を検討することが重要です。
当社では、クライアント企業様のお悩みに対し、最適に広告配信をするためのご提案をいたします。
少しでも気になることがございましたら、ぜひお気軽にJOETSUデジタルコミュニケーションズにご相談ください。
小林(ニックネーム:こばみず)